親知らず2本目はいつ抜くべき?適切なタイミングと注意点を解説
親知らずを1本抜いた後、「もう片方も抜いたほうがいいのかな?」「2本目はいつ抜けばいいの?」と疑問に思ったことがある方もいるかもしれません。
痛みや腫れが残っているうちに再び抜歯すると、心身に負担がかかりやすくなります。一方で、間隔を空けすぎると違和感が長引くこともあります。
そのため、左右の親知らずを抜くときは、適切なタイミングを見極めることが大切です。
今回は、2本目を抜く目安や間隔、左右を同時に抜く場合のポイント、さらに受診のタイミングまで詳しく解説します。
1. 2本目の親知らずはどのくらいの間隔で抜く?

1本目の親知らずを抜いた後、2本目の抜歯までには一定の回復期間を設ける必要があります。間隔を詰めすぎると、身体への負担や日常生活での不便が増す可能性があるため、適切な時期を知っておくことが重要です。以下では、2本目の親知らずを抜くタイミングの目安を解説します。
①基本的な目安は2週間~1か月後
一般的には、1本目の抜歯から2週間~1か月ほど間隔をあけるケースが多くみられます。この期間で腫れや痛みが落ち着き、日常生活にも支障がなくなるとされています。
②回復状態に応じて判断される
痛みの度合いや回復スピードには個人差があります。抜歯後に腫れが長引いたり、傷の治りが遅かったりする場合は、歯科医師の判断で次の抜歯を遅らせることもあります。
③上の歯と下の歯で異なるケースも
上下の親知らずを抜く場合、下の歯の方が腫れやすく、回復にも時間がかかる傾向があります。そのため、下の歯を抜いた後は、より慎重に間隔を設けることが多いです。
④左右の噛み合わせを考慮する
抜歯後は片側でしか噛みにくくなるため、左右のバランスを崩さないように2本目の抜歯時期を調整することがあります。咀嚼がしづらい状況が続くと、食事のストレスが増えるため注意が必要です。
⑤歯医者と相談して決めるのが基本
2本目の抜歯時期は、前回の経過を把握している歯医者と相談し、体調や生活リズムに合わせて決定することが大切です。
2本目の抜歯は、1本目の治癒状況と全身状態を踏まえてタイミングを決めることが重要です。焦らず、着実な回復を優先しましょう。
2. 1本目の親知らずの回復にかかる日数の目安

2本目を抜くタイミングを判断するには、まず1本目の回復具合を正しく把握することが大切です。特に「腫れ」や「痛み」がどのくらい続くのかは、多くの方が気になるポイントかもしれません。ここでは、1本目の親知らずが回復するまでの日数の目安を解説します。
①一般的な腫れのピークは抜歯後2~3日
抜歯後の腫れは、多くの場合2〜3日目にピークを迎えます。その後は徐々に引いていき、1週間ほどでほとんど気にならなくなることが一般的です。
②痛みは2~5日程度で和らぐことが多い
鎮痛薬を服用しながら、2日目以降に徐々に痛みが和らいでいくことが多いです。5日ほどで痛み止めが不要になる方もいますが、あくまで平均的な目安です。
③下顎の抜歯は症状が長引く傾向がある
下の親知らずは神経や骨との距離が近いため、腫れや痛みが強く出やすい傾向があります。治癒に1週間以上かかるケースも少なくありません。
④口の開きづらさや違和感も目安に
抜歯後は一時的に口が開けづらくなることがあります。この症状が残っている間は、2本目の抜歯は避けたほうがよいとされています。
⑤内出血やしこりが出ることもある
顎の下や頬に青あざのような内出血が見られることがありますが、多くの場合一時的なものです。治癒には個人差がありますが、1〜2週間ほどで自然に吸収されることがほとんどです。
1本目の腫れや痛みがしっかり引いてから次の抜歯に進むことで、術後の負担が軽くなることが期待されます。
3. 左右の親知らずは同時に抜歯できる?判断基準と注意点

「左右の親知らずを一度に抜けるなら、そのほうが通院も少なくて済むのでは?」と考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、同時抜歯には向き不向きがあり、条件や体調によって適さないケースもあります。ここでは、左右の親知らずを同時に抜歯できるかどうかの判断基準と注意点について解説します。
①左右どちらかの抜歯であれば可能な場合がある
左右どちらか、たとえば右上と右下、または左上と左下の親知らずであれば、同時に抜歯できる場合があります。特に、真っすぐに生えている親知らずの場合は、身体への負担が少なく済みやすい傾向があります。
②上下左右すべてを同時に抜くのは稀
上下左右すべての親知らずを一度に抜くことはあまり推奨されません。食事や会話、口の開閉に支障が出やすいため、通常は左右どちらかの片顎ずつ抜歯を行うことが一般的です。
③噛む場所が残るかどうかが大きな判断基準
左右同時に抜歯を行うと、一時的に噛む場所がなくなる可能性があります。そのため、食事がしづらくなることもあり、食生活への影響も考慮する必要があるでしょう。
④麻酔や処置時間による体への負担を考慮
左右両方を一度に処置すると、麻酔の量や処置時間が長くなるため、体への負担が大きくなることがあります。処置中の疲労や術後の回復力も含めて慎重に判断する必要があります。
左右同時の抜歯は、メリットだけでなくリスクも伴うため、歯の状態と生活スタイルを踏まえたうえで歯医者としっかり相談することが大切です。
4. 親知らずの抜歯、相談すべき症状と受診のタイミング

親知らずをいつ抜くべきかは自己判断だけでは難しいことが多く、放置すると症状が悪化する可能性もあります。そのため、適切なタイミングで歯医者に相談することが大切です。ここでは、親知らずの抜歯が必要になる症状や、受診のタイミングについて解説します。
①痛みや腫れがあるときは早めに受診
違和感や軽い痛みでも、放置すると症状が悪化する可能性があります。腫れ・痛み・口が開けづらいといった初期症状を感じたら、早めに歯科医師に相談することが大切です。
②反対側の親知らずに違和感が出てきたとき
1本目の抜歯後に反対側の親知らずが気になりはじめたら、同じように炎症やむし歯のリスクがある可能性があります。早めに状態を確認してもらいましょう。
③矯正やインプラントの前には事前の確認が必要
矯正治療やインプラント治療を予定している場合、親知らずがあると治療の妨げになることがあります。治療計画に合わせて抜歯が検討されることもあるため、早めの受診が必要です。
④定期検診で経過を見てもらうのも有効
痛みがなくても、定期的なレントゲン検査で親知らずの位置や状態を確認しておくことが重要です。変化があれば早期対応がしやすくなります。
親知らずに関して不安がある場合は、抜歯の必要性を含め今後の治療方針を立てるためにも、早めに歯医者を受診することが大切です。
5. 名古屋市南区の歯医者 やくし歯科・矯正歯科の親知らず抜歯治療

名古屋市南区の歯医者「やくし歯科・矯正歯科」では、一人ひとりの状態に寄り添い、将来を見据えた治療をご提案しています。
親知らずに関するご相談・診断・抜歯治療も幅広く対応しており、他院紹介や外部医師の派遣ではなく、口腔外科の専門知識を持つ院内医師が対応します。
日々様々な症例に向き合い、丁寧で安心できる診療を心がけています。
また、診断の精度や治療の安全性向上のため、医療機器の導入も積極的に行い、小さなお子さま連れの方でも通いやすいように託児サービスも行っています。
<やくし歯科・矯正歯科の親知らず抜歯治療>
①的確な診断と分かりやすい説明
親知らずは斜めや横向きに生えているケースも多く、抜歯が必要かどうかを見極めるには正確な診断が不可欠です。当院では、高精度なCTやデジタルレントゲンを使用し、親知らずと周囲の神経や血管との位置関係を立体的に把握し、撮影した画像を使いながら、患者さんに分かりやすく丁寧にご説明します。
➁痛みや不安に配慮した麻酔法
抜歯が必要な場合には、局所麻酔や笑気麻酔に加え、眠ったような状態で抜歯治療を行う静脈内鎮静法が選択できます。
➂「抜かない」という選択肢も
すべての親知らずを抜歯する必要があるわけではありません。まっすぐに生えていて問題がなければ、無理に抜歯せず定期的な経過観察を行うケースもあります。患者さんの将来の健康やライフスタイルを考慮し、柔軟な対応を心がけています。
親知らずの治療は、単に「抜く・抜かない」の判断だけではなく、将来の健康を見据えたトータルな視点が必要です。
まとめ
2本目の親知らずを抜くタイミングは、1本目の回復具合や体調、生活リズムを考慮して決める必要があります。
無理に間隔を詰めたり、左右を同時に抜いたりすると、かえって回復に時間がかかることもあります。
左右の抜歯や同時処置を検討する際は、事前に歯医者と十分に相談し、自分に合ったスケジュールを立てることが大切です。
名古屋市南区周辺で親知らずの抜歯についてお悩みの方は、やくし歯科・矯正歯科までご相談ください。
監修:やくし歯科・矯正歯科 院長 鬼頭 広章
所属学会
国際インプラント学会 ICOI Fellow
日本口腔インプラント学会 会員
日本歯周病学会 会員
日本顎咬合学会 会員
日本デジタル矯正歯科学会 会員
日本臨床歯科学会 SJCD 会員
MID-G 理事
名古屋臨床咬合研究会 NOAH 理事
K-Project 会員
取得資格
USC(南カリフォルニア大学)JAPANProgram 卒業 東京SJCDレギュラーコース修了
OSG(矯正アレキサンダータイポドントコース)修了
ITIインプラントコース ベーシック、アドバンス修了
エキスパートハンズオンCAMLOGコース修了
NOBEL BIOCAREサティフィケート多数取得
インビザライン矯正 ベーシックコース修了
5D アドバンスコース修了
2017年 MID-Gレギュラーコース、マニュアルコース受講
矯正LASコース受講
歯周形成外科マイクロアドバンスコース受講
CSTPC受講
2021年 ODGC (矯正診断コース)修了
アライナーオルソドンティクス6デイズコース
明海大学国際インプラント学会認定コース
ハーバード大学歯学部日本CEコース
認定医
日本デジタル矯正歯科学会
日本顎咬合学会