親知らずの抜歯は、比較的よく行われる処置ですが、抜歯後の経過について気になる方も少なくありません。特に「どれくらいで腫れや痛みが落ち着くのか」「食事や生活に支障があるのはいつまでか」といった点が気になる方は多いのではないでしょうか。さらに抜歯後に発生する可能性のあるトラブルのひとつが「ドライソケット」です。これは通常の治り方と異なる経過をたどることがあり、強い痛みが続く場合があります。今回は、親知らずの抜歯後に治るまでの日数の目安や経過、ドライソケットの症状と予防方法について解説します。

1. 親知らず抜歯後、治るまでの日数と経過の目安

親知らずの抜歯後は、日ごとに痛みや腫れの程度が変わっていきます。あらかじめ経過の目安を知っておくと、通常の回復と異常の違いが分かりやすくなるでしょう。

①抜歯直後から2日目

抜歯した直後から翌日にかけては、麻酔が切れると痛みが出やすく、腫れが出てくることもあります。血がにじむことがありますが、自然に止まることがほとんどです。

➁3日目から5日目

腫れがピークを迎えるのはこの時期とされており、口を大きく開けにくくなることもあります。痛み止めを使用することで生活に支障が少なくなるケースが多いです。

③1週間前後

この時期には、腫れや痛みは徐々に落ち着いてくるとされています、糸で縫っている場合は、抜糸が行われることもあります。食事もしやすくなり、日常生活も少しずつ元に戻っていくでしょう。

④2週間前後

多くの方は痛みがほとんどなくなり、傷口もかなり回復してくるでしょう。ただし、抜いた部分に食べ物が入り込みやすいため、清潔に保つことが大切です。

⑤1か月前後

骨や歯ぐきの内部も安定し、違和感が少なくなることが多い時期です。完全に治るまでには個人差があり、体調や抜歯の難易度によって前後することもあります。

抜歯後の経過は一人ひとり異なりますが、大まかな目安を知っておくことで不安を減らすことが期待できます。

2. 親知らずの抜歯後のドライソケットとは？症状と起こりやすい原因

ドライソケットとは、抜歯した部分に血のかたまり（血餅）がうまくできず、骨が露出してしまう状態を指します。強い痛みが長く続くのが特徴です。ここでは、ドライソケットの主な症状や原因について解説します。

①ドライソケットの症状

抜歯後3〜4日してから、強い痛みが再び出るのが特徴です。痛み止めが効きにくく、顎や耳にまで響くように感じる場合もあります。

②起こる仕組み

通常は抜歯した穴に血餅ができ、それが治癒のふたの役割を果たします。しかし、血餅が取れてしまうと骨がむき出しになり、細菌が入りやすくなります。これによって、強い痛みが出ることがあります。

➂起こりやすい時期

特に、抜歯後の3日〜1週間の間に起こりやすいとされています。これは、傷が安定する前に血餅が失われることが関係していると考えられています。

④起こりやすい要因

喫煙や強いうがい、ストローで飲むなどの行為は、血餅が剥がれてしまう原因になることがあります。また、難しい抜歯で骨を大きく削った場合も、リスクが高まる可能性があります。

⑤通常の治癒との違い

通常の経過では、時間とともに痛みは徐々に軽くなるとされていますが、ドライソケットの場合は痛みが強くなったり、長引いたりすることがあります。

ドライソケットは、自然に治るまでに時間がかかることが多いため、疑わしい症状がある場合は早めに歯医者へ相談することが大切です。

3. 親知らず抜歯後に起こりやすい、ドライソケットの予防方法

ドライソケットは強い痛みを伴い、治癒を遅らせることがあります。予防のためには、抜歯後の生活習慣に注意することが大切です。

①強いうがいを控える

抜歯後すぐに強くうがいをすると、血餅が流れてしまうことがあります。水を含んで、軽く吐き出す程度にとどめましょう。

②喫煙を避ける

タバコに含まれる成分は血の流れを悪くし、血餅が安定しにくくなることがあります。少なくとも抜歯後数日は、できるだけ控えることが大切です。

➂ストローは控える

ストローで吸う動作は強い陰圧がかかりやすく、血餅が外れてしまうことがあります。水分補給はコップからゆっくり飲むようにしましょう。

④食事は工夫が必要

抜歯当日は熱いものや硬いものを避け、柔らかい食事を心がけましょう。患部側で噛まないようにし、食べかすが入らないよう注意が必要です。

⑤口腔内はやさしく清掃

歯磨きは周囲を避けて行い、歯医者から指示された方法で洗浄や消毒を行いましょう。刺激を与えすぎないようにすることが重要です。

抜歯後の注意点を守ることで、ドライソケットの発生リスクを下げやすくなります。日常の小さな行動が、治りをスムーズにする助けになるでしょう。

4. 親知らず抜歯後にドライソケットかも？と思ったときの対応方法

もし抜歯後に強い痛みを感じ、「もしかしてドライソケットでは？」と感じた場合、早めの対応が大切です。

①自己判断せず歯医者に相談する

痛みが強くなった場合や、通常の経過と明らかに異なる場合は、歯医者に相談することが大切です。自己判断で市販薬などに頼りすぎるのは避けたほうがよいでしょう。

➁市販の鎮痛剤を使っても痛みが続く場合は注意

ドライソケットでは、通常の術後の痛みよりも強く痛みが続くことがあります。市販の痛み止めで和らがない場合は、歯医者での処置が必要になることもあります。

➂患部を冷やす

冷たいタオルなどで外側から軽く冷やすと、一時的に痛みが和らぐことがあります。あくまで応急処置なので、受診までの間に試してみるとよいでしょう。

④再発を防ぐためのアドバイスを受ける

ドライソケットを経験した方は、次回の抜歯でも同じようなリスクがあるかもしれません。生活習慣の工夫や再発防止の方法について、歯科医師に相談して把握しておくのがおすすめです。

ドライソケットは放置せず、早めに歯医者で診てもらうことで、痛みを最小限に抑え、回復を早めやすくなります。

5. 名古屋市南区の歯医者 やくし歯科・矯正歯科の親知らず抜歯治療

名古屋市南区の歯医者 やくし歯科・矯正歯科の親知らず抜歯治療

名古屋市南区の歯医者「やくし歯科・矯正歯科」では、一人ひとりの状態に寄り添い、将来を見据えた治療をご提案しています。

親知らずに関するご相談・診断・抜歯治療も幅広く対応しており、他院紹介や外部医師の派遣ではなく、口腔外科の専門知識を持つ院内医師が対応します。

日々様々な症例に向き合い、丁寧で安心できる診療を心がけています。

また、診断の精度や治療の安全性向上のため、医療機器の導入も積極的に行い、小さなお子さま連れの方でも通いやすいように託児サービスも行っています。

＜やくし歯科・矯正歯科の親知らず抜歯治療＞

①的確な診断と分かりやすい説明

親知らずは斜めや横向きに生えているケースも多く、抜歯が必要かどうかを見極めるには正確な診断が不可欠です。当院では、高精度なCTやデジタルレントゲンを使用し、親知らずと周囲の神経や血管との位置関係を立体的に把握し、撮影した画像を使いながら、患者さんに分かりやすく丁寧にご説明します。

➁痛みや不安に配慮した麻酔法

抜歯が必要な場合には、局所麻酔や笑気麻酔に加え、眠ったような状態で抜歯治療を行う静脈内鎮静法が選択できます。

➂「抜かない」という選択肢も

すべての親知らずを抜歯する必要があるわけではありません。まっすぐに生えていて問題がなければ、無理に抜歯せず定期的な経過観察を行うケースもあります。患者さんの将来の健康やライフスタイルを考慮し、柔軟な対応を心がけています。

親知らずの治療は、単に「抜く・抜かない」の判断だけではなく、将来の健康を見据えたトータルな視点が必要です。

まとめ

親知らずの抜歯後は、1週間ほどで腫れや痛みが和らぐことが多いですが、体調や抜歯の難易度によって差が出ることがあります。

なかでも注意が必要なのが「ドライソケット」です。抜歯後数日してから強い痛みが出る場合は、早めに歯医者を受診することが大切です。うがいや喫煙、ストローの使用を控え、歯科医師の指示に沿ったケアを行うことでが大切です。

親知らずの抜歯やドライソケットについてお悩みの方は、名古屋市南区の歯医者 やくし歯科・矯正歯科までお問い合わせください。

監修：やくし歯科・矯正歯科　院長　鬼頭 広章

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所属学会
国際インプラント学会 ICOI　Fellow
日本口腔インプラント学会　会員
日本歯周病学会　会員
日本顎咬合学会　会員
日本デジタル矯正歯科学会　会員
日本臨床歯科学会 SJCD　会員
MID-G　理事
名古屋臨床咬合研究会 NOAH　理事
K-Project　会員

取得資格
USC（南カリフォルニア大学）JAPANProgram 卒業 東京SJCDレギュラーコース修了
OSG（矯正アレキサンダータイポドントコース）修了
ITIインプラントコース ベーシック、アドバンス修了
エキスパートハンズオンCAMLOGコース修了
NOBEL BIOCAREサティフィケート多数取得
インビザライン矯正 ベーシックコース修了
5D アドバンスコース修了
2017年 MID-Gレギュラーコース、マニュアルコース受講
矯正LASコース受講
歯周形成外科マイクロアドバンスコース受講
CSTPC受講
2021年 ODGC (矯正診断コース)修了
アライナーオルソドンティクス6デイズコース
明海大学国際インプラント学会認定コース
ハーバード大学歯学部日本CEコース

認定医
日本デジタル矯正歯科学会
日本顎咬合学会