親知らずはいつ生える?前兆や生え始めの違和感について解説
親知らずは、永久歯のなかで最後に生えてくる歯です。
10代後半から20代前半にかけて生えてくることが多いものの、人によっては生えないままのケースもあります。
また、奥歯のあたりにズキズキとした違和感があったり、「何かが押されているような感覚」が出てきたりすると、「もしかして親知らずかも?」と不安になる方も少なくありません。
今回は、親知らずが生える時期や前兆、生え始めに感じやすい違和感や注意点について解説します。
1. 親知らずが生える時期はいつごろ?

親知らず(正式名称は「第三大臼歯」)は、通常の永久歯が生え揃ったあと、最後に生える奥歯です。一般的には10代後半から20代前半にかけて生えることが多いですが、生える時期や生え方には個人差があります。
①生える年齢の目安
多くの方は、17〜25歳頃に親知らずが生え始めるとされています。ただし、歯の成長スピードや顎の骨の発達具合によっては、30代以降に生えてくることもあります。
②生え方の違い
親知らずは真っ直ぐに生えてこないことも多く、横向きや斜めに生えてくる「埋伏歯(まいふくし)」になるケースもあります。その結果、歯ぐきの中に埋まったまま出てこないこともあります。
③そもそも生えてこない人もいる
人によっては、親知らずそのものが最初から存在しないこともあります。これは遺伝の影響や、顎のスペースが昔よりも狭くなった現代人に多く見られる傾向があります。
④上下左右で本数や時期が異なることがある
上下左右の4本がそろって生えるとは限りません。1〜2本のみ生えたり、上下でタイミングが異なる場合もあります。
⑤生活環境の影響
硬いものを食べる機会が少ない現代の食生活では、顎の発達が不十分になることもあり、その結果、親知らずが正しく生えるスペースが足りなくなるケースも見られます。
親知らずの生え方には個人差が大きく、気づかないうちに生えていたということもあります。気になる症状がある場合は、歯医者でレントゲン検査を受けておくと状態を把握しやすくなります。
2. 親知らずが生える前に感じやすい前兆

親知らずは、生え始める前から違和感や軽い痛みを感じることがあり、「これが前兆だったのか」と後から気づくケースもあります。次のような症状に心当たりがある場合は、親知らずが動き始めているサインかもしれません。
①歯ぐきの奥の腫れやムズムズ感
親知らずが歯ぐきの中で動き始めると、その周囲の組織が刺激を受けて腫れたり、ムズムズするような違和感が出ることがあります。特に下顎の奥で起こりやすい傾向があります。
②顎や耳の奥の軽い痛み
親知らずの位置や神経との関係によっては、顎の奥や耳の後ろに鈍い痛みを感じることがあります。神経を圧迫している可能性もあるため、注意が必要です。
③口が開けにくくなる
歯ぐきの腫れや痛みによって、口が開けにくくなることがあります。これは、「智歯周囲炎(ちししゅういえん)」と呼ばれる炎症が起きている可能性があります。
④噛むと奥歯に圧迫感がある
親知らずが少しずつ動くと、隣の歯を押すような圧力がかかり、噛みしめたときに「奥が詰まったような感じ」や圧迫感を覚えることがあります。
⑤反対側と比べて違和感がある
左右の奥歯を比べたときに、どちらか一方だけに違和感や腫れを感じる場合、親知らずが片側だけ動き出している可能性があります。
これらの前兆がある場合は、親知らずによるトラブルが起こる前に、歯医者で診察を受けておくとよいでしょう。特に痛みや腫れが数日続く場合は、放置せずに早めに受診することが大切です。
3. 親知らずが生え始めたときの違和感と注意点

親知らずが実際に歯ぐきの外に出てきたタイミングでは、見た目や噛み合わせの変化に気づきやすくなります。しかし、適切なケアをしないとトラブルに発展することもあるため、注意が必要です。以下に、親知らずが生え始めたときの違和感と注意点を解説します。
①歯ぐきがめくれるような感覚
親知らずが歯ぐきから顔を出し始めると、奥の方に「皮膚がめくれているような感覚」や「傷のようなひりつき」を感じることがあります。この状態は細菌が侵入しやすく、炎症につながる可能性があります。
②歯ブラシが当たりづらい
親知らずの位置は非常に奥まっているため、歯ブラシが届きにくくなります。その結果、食べかすや歯垢がたまりやすくなり、むし歯や歯ぐきの炎症(智歯周囲炎)を起こすことがあります。
③隣の歯に痛みが広がることがある
斜めや横向きに生えてくる親知らずが隣の第二大臼歯を圧迫すると、痛みが出たり、歯の根が溶ける「歯根吸収」が起こることもあります。放置すると隣の歯も抜歯が必要になるケースがあります。
④口内炎や粘膜の傷ができやすい
歯の一部が尖っていたり、歯ぐきから少しだけ頭を出している状態では、頬の内側や舌に当たりやすく、慢性的な口内炎の原因になることがあります。
⑤口臭や不快感が出てくることがある
清掃が難しく、細菌がたまりやすくなるため、親知らず周辺に不快感を感じることがあります。口臭が気になる場合は、親知らずの影響が関係している可能性もあります。
親知らずは、まっすぐ正しく生えていれば問題にならないこともありますが、少しでも違和感がある場合は、歯医者で診てもらうと予防につながる場合もあります。
4. 親知らずに関するよくある疑問と対応方法

親知らずに関しては、痛みや腫れを経験する前から気になることが多いかもしれません。ここでは、よくある疑問とその対応について解説します。
①親知らずは必ず抜く必要があるの?
まっすぐに生えていて、噛み合わせに問題がなければ、必ず抜かなければならないわけではありません。ただし、歯ぐきに隠れたままの状態や、横向き・斜めに生えている場合は、将来的にトラブルが起こることがあるため、予防的に抜歯が検討される場合もあります。
②妊娠中や授乳中でも抜歯できる?
基本的には安定期(妊娠中期)であれば抜歯が可能な場合もありますが、薬の使用や麻酔、出血などに配慮が必要なため、時期や体調は歯科医師とよく相談することが望ましいです。授乳中は、薬の使用について一時的に調整が検討されることもあります。
③親知らずの抜歯は痛い?
局所麻酔をしっかり行えば、抜歯中の痛みは感じにくいことが多いとされています。ただし、抜歯後は腫れや痛みが出ることがあります。特に下顎の親知らずは骨に埋まっていることが多く、処置が複雑になることがあります。
④親知らずが生えるかどうか分からないときは?
親知らずが今後生えてくるかどうかは、レントゲン検査である程度予測できるとされています。自覚症状がない場合でも、定期検診の際に親知らずの状態を確認してもらうと、早めの対応がしやすくなるでしょう。
⑤矯正治療前に親知らずを抜くべき?
歯列矯正を予定している場合、親知らずの存在が歯の移動に悪影響を及ぼすことがあるため、事前に抜歯が勧められることがあります。歯科医師の判断に基づいて適切な時期に対応することが重要です。
疑問がある場合は自己判断せず、歯医者で相談するとよいでしょう。特に親知らずは生え方や症状に個人差が大きいため、早めに相談して状態を確認してもらうことで、将来的なトラブルを避けやすくなります。
5. 名古屋市南区の歯医者 やくし歯科・矯正歯科の親知らず抜歯治療

名古屋市南区の歯医者 やくし歯科・矯正歯科の親知らず抜歯治療
名古屋市南区の歯医者「やくし歯科・矯正歯科」では、一人ひとりの状態に寄り添い、将来を見据えた治療をご提案しています。
親知らずに関するご相談・診断・抜歯治療も幅広く対応しており、他院紹介や外部医師の派遣ではなく、口腔外科の専門知識を持つ院内医師が対応します。
日々様々な症例に向き合い、丁寧で安心できる診療を心がけています。
また、診断の精度や治療の安全性向上のため、医療機器の導入も積極的に行い、小さなお子さま連れの方でも通いやすいように託児サービスも行っています。
<やくし歯科・矯正歯科の親知らず抜歯治療>
①的確な診断と分かりやすい説明
親知らずは斜めや横向きに生えているケースも多く、抜歯が必要かどうかを見極めるには正確な診断が不可欠です。当院では、高精度なCTやデジタルレントゲンを使用し、親知らずと周囲の神経や血管との位置関係を立体的に把握し、撮影した画像を使いながら、患者さんに分かりやすく丁寧にご説明します。
➁痛みや不安に配慮した麻酔法
抜歯が必要な場合には、局所麻酔や笑気麻酔に加え、眠ったような状態で抜歯治療を行う静脈内鎮静法が選択できます。
➂「抜かない」という選択肢も
すべての親知らずを抜歯する必要があるわけではありません。まっすぐに生えていて問題がなければ、無理に抜歯せず定期的な経過観察を行うケースもあります。患者さんの将来の健康やライフスタイルを考慮し、柔軟な対応を心がけています。
親知らずの治療は、単に「抜く・抜かない」の判断だけではなく、将来の健康を見据えたトータルな視点が必要です。
まとめ
親知らずは、生えるタイミングや本数、生え方に個人差が大きく、生えてきたとしても必ずしも問題になるわけではありません。
ただし、生え始めに違和感を覚えることや、清掃がしづらいことで炎症が起こることもあります。
放置すると周囲の歯にも影響が出る可能性があるため、気になる症状がある場合は早めの受診が大切です。
親知らずについてお悩みの方は、名古屋市南区の歯医者やくし歯科・矯正歯科までお問い合わせください。
監修:やくし歯科・矯正歯科 院長 鬼頭 広章
所属学会
国際インプラント学会 ICOI Fellow
日本口腔インプラント学会 会員
日本歯周病学会 会員
日本顎咬合学会 会員
日本デジタル矯正歯科学会 会員
日本臨床歯科学会 SJCD 会員
MID-G 理事
名古屋臨床咬合研究会 NOAH 理事
K-Project 会員
取得資格
USC(南カリフォルニア大学)JAPANProgram 卒業 東京SJCDレギュラーコース修了
OSG(矯正アレキサンダータイポドントコース)修了
ITIインプラントコース ベーシック、アドバンス修了
エキスパートハンズオンCAMLOGコース修了
NOBEL BIOCAREサティフィケート多数取得
インビザライン矯正 ベーシックコース修了
5D アドバンスコース修了
2017年 MID-Gレギュラーコース、マニュアルコース受講
矯正LASコース受講
歯周形成外科マイクロアドバンスコース受講
CSTPC受講
2021年 ODGC (矯正診断コース)修了
アライナーオルソドンティクス6デイズコース
明海大学国際インプラント学会認定コース
ハーバード大学歯学部日本CEコース
認定医
日本デジタル矯正歯科学会
日本顎咬合学会

052-811-1340